コンクリート床に塗料を塗る前に確認しておきたいこと
事務所や工場のコンクリート床をDIYで塗装をする前に確認しておいた方が良いことを、一緒に学んでいきたいと思います。
教えてくれる人
塗料メーカーアトムハウスペイント社員 「Kawakami」
元溶接工からDIYSHOPの店長を経て、現在メーカー勤務2年目の社員です。
私の経験談も交えながら、“モノづくりの楽しさ“と“塗料の知識”を
共有していくBLOGです。
既存塗膜があるコンクリートの塗装の前にここを確認
既にコンクリート床に塗料が塗られている場合、どんな種類の塗料が塗られているかを確認しないと新たに塗装する塗料を選ぶことができません。またDIYでは歯が立たない場合もありますので、以下の方法でどのような塗料が塗られているかを確認しましょう。
確認の方法
既に塗料が塗られているコンクリート床に【ラッカーうすめ液】をたらしてから、10~20秒ほど放置し、布等でこすります。
既存塗膜が水性一液タイプの場合
ラッカーうすめ液を垂らししばらくすると、塗膜が少し膨れ上がり、布でこすると消しゴムのカスのように崩れます。この場合、既存塗膜は水性一液タイプのものと思われます。
◎水性タイプのコンクリート床用塗料(水性コンクリート床用FT)は塗装可能です。
×油性タイプのコンクリート床用塗料(油性床用塗料)は塗装できません。
既存塗膜が溶剤型一液タイプの場合
ラッカーうすめ液を垂らし、しばらくして布等で拭き取ると、簡単に拭き取れます。この場合、既存塗膜は溶剤型一液タイプのものと思われます。
◎水性タイプのコンクリート床用塗料(水性コンクリート床用FT)は塗装可能です。
◎油性タイプのコンクリート床用塗料(油性床用塗料)は塗装可能です。
既存塗膜が二液タイプの場合
ラッカーうすめ液を垂らし、しばらくして布等で拭き取ると、塗料の種類によっては布に若干色が付く場合がありますが、塗膜に大きな変化は見られません。この場合、既存塗膜は二液タイプのものと思われます。
×水性タイプのコンクリート床用塗料(水性コンクリート床用FT)は塗装できません。
×油性タイプのコンクリート床用塗料(油性床用塗料)は塗装できません。
二液タイプのコンクリート床用塗料が施工してある場合は、DIYでの施工は行わない方が良いと思われます。専門業者に依頼する方が良いでしょう。
未塗装コンクリートの塗装の前にここを確認
未塗装のコンクリートの場合でも、DIYでの塗装が難しい場合があります。強化コンクリ―トや既に色が付いているカラーコンクリートの上には特別な処理や特殊なシーラーが必要になり、DIYでの施工は避けたほうが良いでしょう。また強化コンクリートでなくても以下のように水を用いたテストをし、水が吸い込まないような緻密なコンクリートも付着が悪いことが多いので、確認が必要です。
確認の方法
コンクリート床の上に、少量の水を垂らします。
通常のコンクリートの場合
垂らした水が吸い込まれれば通常のコンクリートで、問題なく塗装可能です。
緻密なコンクリートの場合
水を吸い込まないコンクリートは、機械を使った下地処理や特殊なシーラーが必要になりますので、DIYでの施工は難しくなります。
この他にコンクリート床の塗装前に注意が必要な点
上記以外にも、水分を含んでいる床、水分が回ってくる床、油がしみ込んでいる床、打ちたてのコンクリートなどは通常の塗装では難しくなります。またレイタンスと言って、コンクリート打設後、水分が蒸発する際に、コンクリートの表面に粉っぽい脆弱な層を作ります。この脆弱な表面はサンダー等でしっかり除去をしないと塗装することができません。
あわせて注意が必要なことは、気象条件です。特に気温が低い時は、外気温よりもコンクリート床自体が更に冷え切っている場合がありますので、せっかく塗装したコンクリート床用塗料が不具合をおこす場合がありますので、湿気の少ない暖かい時期を選んで塗装する方が望ましいです。
最後に
いかがでしたでしょうか?せっかく塗った塗料が不具合をおこしてしまうと、せっかくの労力が無駄にってしまいます。そうならない為にも今までお話させて頂いた部分は事前に確認をしてから塗装し、きれいな床面に仕上げましょう。